ヘルメットをかぶらない時代のツール

私はヘルメットをかぶらない時代のツールドフランスが好き。

被ってもせいぜいタイムトライアルの時だけだ。

選手たちはそれぞれのチームのサイクルキャップやサンバイザーを着用したり、まったく何もかぶらないで走っている選手もいた。ヘルメットをかぶるよりもはるかに見た目がかっこいいのだ。選手にとってみれば、炎天下の中ヘルメット何てかぶってられないよ、と言ったところが本音だろう。名だたる選手がヘルメットをかぶっていたら絵にならない気がする。個人的にもあのサイクルキャップのデザインが好きだったし、自転車独特の帽子で好きだった。

1990年代前半ごろと言えば、スポンサーがらみなのかジロのヘルメットを着用する選手がちらほらいる程度だったと思う。大半の選手はヘルメットなど着用していなかった。

国によっては法律で自転車に乗るときにはヘルメットをかぶらなければならないことも事実で、ツールドフランスがその国を通過するときには選手はやむなくヘルメットやカスクを着用して走っていた。確かベルギーはそれらの国の一つだったと思う。

ヘルメット着用の一つのきっかけになったのは、1995年のツールドフランスで発生した落車死亡事故だと思う。イタリアの若き有力選手ファビオ・カサルテッリが下りで落車して死亡したのだ。まだ、24歳だったカサルテッリには妻子もいた。彼は1992年バルセロナオリンピックのロードレース金メダリストでもあった。1903年に始まり長い歴史を持つツールドフランスにおいて、それまで落車による死亡事故はなかったのだ。そのこと自体驚くべきことだったが、落車は幾度となく発生している。例えば前年の第1ステージで起きた落車も酷かった。ゴール前でカメラを構えていた警官にフルスピードでスプリントする選手がぶつかって発生した大落車だった。確かにこれは想定外だったが、幸い死者は出なかった。

なぜ死亡事故が今まで発生ししなかったのか?基本的に一つ言えることは選手一人一人の自転車に乗る技術が優れていることが致命的な事故を回避しているのだと思う。特に自転車レースの本場ヨーロッパでは子供のころに落車の仕方まで練習すると聞いたことがある。もちろん、まずは危険な障害物をとっさに避ける技術の習得、その上で落車したときにダメージを最小限に抑えるテクニックを学ぶのだろうと思う。だから、高速で走り続けるプロレースでも高度な走行技術を持ったプロ選手は落車やけがのリスクを最小限に抑えることができる。ゆえに大きな事故は少ないのだろう。日本のアマチュアレースやホビーレースで毎年、重大な事故や、時に死亡事故が起こるのは、やはり技術力がないのに無茶な走りをすることに因るのだろう。

ロードバイクに初めて乗ったころの1993年ころ、私も時々ヘルメット無しで走っていた。確かに、安全のために着用するに越したことはないのだが、ヘルメット無しの方が爽快感があるし、かっこいい。当時ツールを走るプロはヘルメットなど着用していなかったのだ。

今でも覚えているが、まだ自転車に乗りたての頃に雨でぬれた下り坂で時速78kmを記録した。当時もそれなりに恐怖感があったが、今思うと相当危険だった。

とにかく私はヘルメットをかぶらない時代のツールが好きだった。ツールでヘルメットと言えばタイムトライアル時に被る空気抵抗を軽減するためのエアロヘルメットだ。

それ以外はサイクルキャップ、ヘッドバンドや、バンダナの選手もいた。ヘアスタルを売りものにする選手もいた。サイクルキャップのかぶり方も選手によっていろいろで、ひさしを立てる選手もいれば後ろ向きに被る選手もいた。

ヘルメットをかぶらない時代はインデュラインの時代と共に終わったと思う。そしてもう永遠にヘルメットをかぶらない時代はこないだろう。サイクルキャップをかぶっていたツールは私にとって今や古き良き時代のツールだ。

Chain Reaction Cycles

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