アワーレコードの話 その3 軽率なルール変更

1996年クリス・ボードマンが56.375kmと言うアワーレコードを打ち立てたが、翌年UCIがルールを変更したため正式な記録とは認められなくなった。

簡単に言うとノーマルバイクで走った場合が正式のアワーレコードであるとしたのだ。

そうすると、さかのぼってあのエディ・メルクスが70年代に記録した49.431kmが再びアワーレコードとして記録されることとなった。

そして2000年、ボードマンはUCI規定にのっとったノーマルバイクで挑戦、メルクスの記録を僅か10m更新して、49.441kmのアワーレコードを達成した。

この結果明らかになったことは、30年前に走っていたエディ・メルクスの偉大さだと思う。
誰もが真っ先にそう思ったに違いない。1972年という30年近く前に記録された記録と僅か10mしか変わらなかった。1時間走って10mの差など30年後のノーマルバイクの性能の向上やライディングポジションの修正で変わる程度の距離だろう。

ボードマンはトラック競技で磨き上げたタイムトライアル競技のスペシャリストだ。ロードの上りではからっきしダメだが、平地のタイムトライアルとなると驚異的な力を発揮する。

そのボードマンの能力が、28年後のロードバイクでチャレンジして僅か10m上回っただけだったのだ。

エディ・メルクスは生粋のロードレーサーである。平地のスプリントもタイムトライアルも、上りも全てこなすオールラウンダーだ。



そして、ボードマンを例にとると、スペシャルバイクを使いエアロポジションで走ればノーマルバイクを使うより平均時速が7km近く速くなると言うことだ。

残念ながらこのルール下では挑戦熱が完全に冷めてしまったようで、2014年に再びUCIがルールを変更。トラック競技に準ずるとしたのだ。???という感じだ。

エアロバーもエアロホイールもエアロヘルメットも使用できる。フレームはダイヤモンドタイプでなければならないと言った規定はあるようだが、最先端の風洞実験で設計される自転車とフォームを取り入れれば、90年代のアワーレコード環境と違いはないような気がする。

2015年のブラドリー・ウィギンスが記録した54.526kmが圧倒的なアワーレコードとして現在の記録になっているが、私としてはどうも無味乾燥な数字だ。トニー・ロミンゲルが1994年に出した55.291kmの方が上だと思うが…..

いずれにしてもUCIの軽率ともいえるルール変更によってアワーレコードの面白みは半減した。ノーマルバイク使用と言うルールはいったい何だったのか….

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