おかしな時代 競輪選手がツールドフランスを解説

私がツールドフランスを初めてTVで見たのは1993年だった。ツール開催期間中にフジテレビが時々深夜に放送していた。そして、ツールドフランスが終了すると総集編を放送した。総集編はかっこよく編集されていて素晴らしかったのだが、今振り返っても深夜に放送していた中継は今だったらあり得ないよなと思うものだった。

と言うのは、ツールドフランスを解説していたのがあの中野浩一氏だったのだ。

中野浩一さんは偉大な選手だった。私は現役時代は知らないのだが、スプリントと言う種目で世界選手権を何と10連覇しているのだ。競技が何であろうと10年間連続して世界一何て人はいるのだろうか?確かにケイリン(競輪)がまだ競技として世界に存在しなかった時代においては日本のお家芸だった要素は強かっただろう。しかし、それにしてもこの連勝は尋常ではない。

ただ、私が言いたいのは中野浩一さんはあくまで短距離選手だったと言うこと。ツールドフランスは3週間にもわたる長丁場のレース。一日に200km前後の距離を毎日のように走り、4000km近い距離で争われる競技だ。選手は1日に何時間も走り、アルプスやピレネー山脈も越えていくのだ。つまり世界一過酷ともいえる究極の持久系スポーツだ。

陸上競技で例えるなら100m走の金メダリストがオリンピックのマラソンを解説するようなものだったと思う。だから、解説を聞いていても正直つまらなかった。インデュラインの個人タイムトライアルの様子を見て「コース取りがいいですね。最短距離を走っていますねー」とか解説していたのを覚えているけど、んーー・・・と言ったが感じだったし、中野氏もロードに関しては素人だなあと思えたものだ。実際、眠くなるような解説だった。いくら自転車のロードレースがまだまだ日本では知られていない時代だったとはいえ、無理があり過ぎだったと思う。ウサイン・ボルトがマラソンを解説するよりもアマチュアのマラソン経験者が解説したほうがまともだろう。

放送する側のフジテレビ的には解説は中野浩一氏で何ら問題はなかったのだろう。何しろ世界の中野である。ただ、視聴者層はと言えばロードバイクが好きで実際に乗っている人たちだ。プロロードレースの最高峰のレベルを見たいと思っているい人たちだ。そう人たちからすると大いにへんてこな解説だったと思う。中野氏の解説めいた言葉に、それはおかしいだろうとか、そんなこと言わなくても分かってるから黙っててくれよと思うことも多々あった。やっぱり本気でロードレースに取り組んだ人にしか解説は出来ないってことだろう。まあ確かに、90年代初めは、”ロードバイク”なんて言葉はなかった。ロードバイクのことを”ロードレーサー”と呼んでいたし、ロードレースを知らない大多数の日本人からすれば、”競輪の自転車”だ。今の若い世代からすると不思議に聞こえるかもしれない。でも、確かにそんな時代があったのだ。

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