電話占いにビジネスチャンスを見出した占い師たち

最近殊に阿漕な商売だなあと思うのが、電話占いだ。

スマートフォンが普及してますます盛んになっている。

”人の悩み相談に乗り助けになる”のなら良い行いのようにも思える。しかし、実態は”人の悩みに漬け込む商売”以外の何物でもないと思う。

スマートフォンを持っていれば誰でも簡単に占い師のウェブサイトにアクセスできる時代だ。占い相談を依頼する潜在顧客は計り知れないだろう。占い師のサイトに行き、目ぼしき占い師を探すのだ。もちろん顔写真などは載っていない、ただ、いかにもと思える占い師名が付けられていて、興味を持たせるプロフィールが掲載されている。その占い師がどのようにして霊能力を身に着けたかとか、今までにどんな実績があるかなどなど。得意分野や他の霊能者より勝っている力をアピールしている文言も良く見られる。

利用者による体験談にもさらに力が入れてある。いかにもと言う体験談が載せられていて興味をそそらせる。

商売なんだから自由だが、私が阿漕だと言うのは余りに誇張された宣伝文句や、利用金額の高さだ。

金額は20分5000円~で高い占い師は20分で8000円だ。10000円もいるかもしれない。20分を越えれば1分当たりの料金が加算されていく。例えば20分8000円なら、1分当たり400円ずつ加算されていくわけだ。もし、60分利用したら、24000円だ。

電話で占うだけで24000円の利益だ。コストなどたかがしれているだろう。

実は私も試しにと電話をしてみたことがある。まずは占い師のサイトに行き、どんな占い師がいるのかをチェックする。どうせ占ってもらうならば、能力が高く、自分の依頼に合いそうな霊能者を誰だって選びたいだろう。私が選んだ占い師は、電話を掛けてきた相談者が相談内容を語る前にすべて内容を言い当て、これから起こることもすべて言い当てたと言う驚異的な実績の持ち主だ。そんなバカのことがとは思ったが、とにかく可能性を求めて試してみたかったのだ。

サイトには”電話料は無料”だとアピールして、フリーダイヤルを利用できるようになっている。まあ、20分で数千円も取るのだから当たり前の話だろう。

電話すると最初は直接占い師に繋がるわけではなく、事務局的な人物が対応する。その中で指定した占い師などを伝えて占いをする時間を決めた上で再度電話を掛けると言う流れだったと思う。

私の場合は人探しと言うジャンルの依頼で試した。このジャンルにおいても数々の実績が記載されているのだ。

そんなバカなと言う気持ちと、いやいや記載内容が本当だとすると必ず解決してもらえると言うドキドキ感を持ちながら電話越しに占い師と対面するのだ。何しろ相手は会ったこともない電話越しの相手の相談内容をすべて御見通しの人間なのだ。早速電話を掛けてみる。

するとどうだろうか、占い師の方から相談内容はどうなのかと普通に問いかけてくるではないか。当たり前と言えば当たり前のことだが・・・私自身のことをあれこれと聞かれたように覚えている。全くの拍子抜けなのだが、料金の高さもあって怒りも感じた。結局私が提供した程度の情報では不十分だとのことで相談内容は全く進展しなかったと言ってよい。こんなものなのだと思う。

私自身は確かに人間離れした能力の持ち主はいると信じている。しかし、ウェブサイトにずらりと在籍するほどにそんな能力の持ち主が都合よくいるなど到底あり得ない話だろう。

本物の占い師ならば、成功報酬と言う形で、良い結果が出た時にお気持ちをいただくと言った形をとるのではないだろうか。

TV番組で「あなたは2年以内に監督就任要請が来るでしょう。」と言って清原和博を占ったゲッターズ飯田と言う占い師がいた。この占いの後すぐに覚せい剤の常習者として清原は逮捕されることとなった。監督就任要請など今後来るはずもなく、あえなくいかさま占い師であることが世に知れることとなってしまった。

結局占い師などと言うものはそんなものだと思う。相手が気持ちよくなる言葉を並べてあげる能力があればそれでよいのだ。詐欺と紙一重なのだが、いかさまでも顧客を満足させればそれはそれで立派な商売ともいえる。もちろん阿漕であることには変わりないのだが。

電話占いなら私でもできる。ある程度の話術があれば誰にでもできる。それらしい占い師名を決めてそれ用の電話番号を設定してスマートフォンとウェブサイトと振込先を持てばそれでよい。あとは多少の宣伝をするだけで占い師デビューだ。時給800円で働いているなら、20分5000円の商売の方がいいだろう。

実力派占い師らしいプロフィールを作り、それらしい雰囲気で相手と話し合える最低限の話術があれば十分だ。利用者の成功体験談を適当に作って載せておくことも重要だ。

電話で時間を稼ぐのは簡単だ。相談相手の悩み事を透視してみると言って、しばらくの間沈黙して気を集中しているように見せかける沈黙の時間を作るのもその一つだ。

依頼人はただじっと待つだけだが、電話越しの占い師が私のために気を集中して私の求めているものを透視してくれているのだと思ってただ待つだけだ。とにかく演技力があればそれで成り立つのだ。

ただし、そんなに演技力があろうと阿漕な商売ができる良心の呵責に欠落が無ければなかなか難しいかもしれない。悪意とまではいわないが金儲け根性第一主義でないとなかなかすっきりとはできない商売だとは思う。

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ちょっと視点は違うのだが、占い師と言うとこんな言葉を思い出す。

”占い師の逆襲”

フランスの哲学者アランが言った言葉だ。話はこうだ。

ある若い女性が占い師に占ってもらった。

すると占い師はこう言った。

「あなたは無事に結婚して子供を授かるでしょう。しかし、子供が1歳になるころにその子供は大きな病気をするでしょう。」

ちょっと正確ではないがだいたいこんな話だったと思う。

すると占われたこの女性は怒り出す。そんな占いが当たるわけがない、何をバカなことを言っているのだと。

やがて年月が経ちその女性は結婚して妊娠し、子供を授かる。

その時にこの女性が思い出したのが、あの占い師が言った言葉だ。あの占い師によるとこの子が1歳になるころには重い病気にかかるのだと・・

当時は占い師をあざ笑い馬鹿にしたこの女性だが、現実に子供を授かると本当に重い病気になるのではないかと不安に駆られ、気が気でいられなくなったのだ。そしてやがてノイローゼになってしまったと言う話だ。

占いをバカにされた占い師の逆襲が起こったと言うわけだ。

要するに、軽い気持ちで占いなどしてもらはない方が良いと言うアランの警告なのだろうと思う。安易な気持ちで占ってもらうとやがてとんだ悲劇が待っていることがあると言う戒めなのだろうと思う。それでも神の声に救いを求めたいのであればおみくじを引く程度に抑えておくのが無難だろう。

”当たるも八卦当たらぬも八卦”と言う言葉がある。占いなんてものは当たることもあれば当たらないこともあると言う意味だ。

どちらかと言うと悪い占い結果が出た時の慰め言葉のニュアンスが大きいようだが、アランが言うように時として悲劇を生むことがある。だとすれば、特に占ってほしい強い動機でもなければ占いなどしてもらわないに限るとういことだ。

ただむしろ、良いことも悪いことも正直に発言できる占い師はむしろ本物である可能性があるのかもしれないが・・・・

電話占いに話を戻すと、彼らは(ほとんどが女性占い師だが)ほとんどの場合とにかく助けがほしいと言う客を相手にしていると思う。そのあたりが、道端で椅子に腰かけている占い師とは違う点だ。わざわざ電話を掛けてくる以上、ちょっと占いでもしてみようかと言う軽い気持ちの客相手ではないのだ。

だからこそ電話占い師の神髄は相談者が少しでも明るい気分になれる言葉を最終的に提供できればそれでOKなのだ。わざわざ当たらないかもしれない悪い結果を提供する必要はないのだ。もちろん話の過程では、「このままいくとこういう悪い結果になりますよ。」と不安をあおることは当然あるわけだが、最後に電話を掛けてみて良かったと思われるようなよき応援者と相談者から思われればそれでよいのだ。

この辺りがかなりグレーゾーンだなあと思う。あたかも神であるかのような成功体験や能力をアピールしておきながら、電話を掛けさせるように仕向け、最終的には当たり障りのない明るい帰着点を相談者に提供する。これが電話占いの方程式だと思う。

小さくとも占い師のアドバイスで成功体験を得られるとやがてその相談者は信者のごとくその占い師をあがめるかもしれない。実際に何度も同じ占い師に相談している人はもはや洗脳のレベルなのだと思う。

電話を掛けさえすれば会えるわけだから私だけのよき理解者であり助言者だと思わずにはいられないのだろう。占い師からすれば良きカモだ。

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