アルマズ・アヤナの1万メートル世界新記録 日本女子とどれだけ違うか

リオデジャネイロ五輪で一番印象に残った陸上競技種目は?

と聞かれたら、間違いなく女子10000mを挙げる。

エチオピアのアルマズ・アヤナが29分17秒と言う世界新記録を樹立した圧倒的レースだった。

また、サンバのリズムが流れる中の軽快な走りも見ていて惹きつけられるものがあった。サンバのリズムに乗ってスピードが増しているかのようで見ていて心地が良かった。競技時間が30分ほどかかるから、興味がない人にはさぞ退屈かもしれないが、あまりの速さにどんな記録が出るのだろうと、1週ごとのラップに引きつけられてあっという間のレースだったようにも感じた。

しかし、陸上の長距離種目に馴染みがない方にとっては、今回の記録の凄まじさが分からないと思うので、分かりやすくしてみたいと思う。

まず、この種目の日本記録は30分48秒だ。ちなみに日本人で31分を切った選手は3人しかいない。これでも相当凄い記録だと思うが、世界記録は日本記録より1分30秒以上早いことになる。つまり、日本記録で走ったとしても余裕で周回遅れとなってしまう。

さらに分かりやすくすると、アヤナの最初の5000mのラップタイムは14分46秒だった。しかし、なんと後半の5000mは14分30秒!だったのだ。これでは誰も付いていけないだろうと納得してしまう。

ちなみに日本女子の5000mの日本記録は14分53秒だ。仮に日本記録で前半の5000mを走ったとしても離されてしまう。では、後半の5000mからレースに参加して日本記録で走ったらさすがに勝てるだろうと思いきや、やはり圧倒的に離されてしまうと言う結果だ。この差が世界との差なのだ。ちなみに5000mの日本記録は福士加代子選手の記録で日本人女子では5000mを14分台で走った選手は彼女しかいない。次元が違うと言うのはまさにこういうことだと思う。

こう考えると、残り距離がどのくらいになったところで日本人選手が参加したら勝てるだろうか?と考えていくと少なくとも3000mではまだ勝てないことが分かる。レースの7割を走ってそれなりに消耗しているはずのアヤナ選手に勝てないのだ…. なぜなら、3000mの日本記録は同じく福士選手の8分44秒だ。アヤナ選手の後半5000mを平均ラップ化して3000mに換算すると8分42秒で走っていることになるのだ。しかし、実際のところはラスト1週は凄まじくスピードアップしているから、8分30秒台で走っていることは間違いない。このように考えると悲しい結果だが、残り2000mくらいになった時点で参加して初めて勝てる可能性が出てくると言ったところだ。こうなともはや長距離選手と言うよりは1500mなどの中距離型の選手にラスト2000mから参加して日本記録で走ってもらわないと勝てない話になってくるのだ。

別の視点でこの記録を語ると、1万m29分17秒という記録は、十分に箱根駅伝に出場できる記録だ。

箱根駅伝には20校程度が出場するが、各校の出場メンバーの平均タイムを比較すると丁度平均タイム10位くらいの大学と同じくらいになる。箱根駅伝に出場する選手の平均的なタイムと同程度と考えて良いことになる。

箱根駅伝に出場するほどのエリート選手でもその半分ほどの選手は女子選手であるアヤナのベストタイムに負けてしまうと言うわけだ。

アヤナと言う名前は日本人にもありそうな名前でなんだか親しみを覚えるが、何でここまですごいのかとため息が出てしまう。

ちなみに前世界記録は中国人の29分31秒だった。90年代前半に話題になった馬軍団と呼ばれたチームのメンバーが出した記録だが、ドーピングが色濃く疑われた記録だっただけに、やっと本来あるべきクリーンな世界記録に戻った気がしてうれしい。

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