ベルリンマラソンで男子の世界記録が更新された。
2時間1分39秒。
2年前のリオデジャネイロ五輪の金メダリストケニアのエリウド・キプチョゲ(Eliud Kipchoge)選手が達成した。
彼は昨年、非公認のマラソン(ナイキ主催のイベント、ブレーク2)でサーキットを使ったマラソンレースで2時間00分25秒と言う記録を出していたので自信はあったのだろうと思う。
従来の世界記録は唯一の2分台の記録2時間2分57秒だったのだが、一気に1分18秒も更新したことになる。
しかも、1km当たりのタイムは2秒近く(1.85秒)速く1kmの平均ラップはいよいよ2分52秒台突入だ。5kmの平均ラップは14分24秒台、そして、いよいよ10kmのラップは28分台に突入した。(28分54秒!)
これは驚異的だと言われた2時間2分台の前世界記録をかなり突き放したレベルになったことを意味すると思う。
ただ、世界トップレベルの1万mの記録を持つアフリカ選手であればこれくらいのレベルが競い合うタイムになってきていることを表していると思う。
今回のレースの彼の40kmからゴールまでのタイムは6分07秒だ。
40kmを高速ペースで走った後にさらに加速して、1km2分47秒のペースに上げてゴールしているのだ。この辺りから判断するとまだまだ記録は伸びることが予想できる。
もはやマラソンは長距離の我慢比べレースと言う時代は完全に終わったようだ。アフリカ勢が従来から繰り広げるトラックでの5000mや1万mのレースがマラソンでも展開されるようなものだと思う。
我々が東京五輪で暑さ頼みの低速レースを期待して勝機を期待したところでどうしようもない力の差が見えるだけだ。
因みに日本人との差を客観的に比べてみると、
2時間07分45秒でマラソンを走ったとしても、40km通過地点でキプチョゲ選手はゴールしていることになる。2km離されるわけだ。
仮に日本記録の2時間06分16秒で走ったとしても、40.5km通過したときにキプチョゲ選手はゴールしていることになる。つまり、1.5km引き離される。
日本記録のペースより1km当たり7秒早いと言えばより分かりやすいかもしれない。